digestive 消化器科

胃内視鏡検査(胃カメラ)

胃内視鏡検査には鼻からカメラを挿入する経鼻内視鏡検査と口からカメラを挿入する経口内視鏡検査があります。
当院では、胃・食道の病変を検査する際にはより苦痛の少ない経鼻内視鏡を用いています。もしもポリープや胃がんが見つかった場合には、必要に応じてそれらの病変の切除を同時に行います。

① 胃内視鏡(経鼻内視鏡)

当院では、食道・胃の検査を行う際には主に経鼻内視鏡を使用いたします。

これまでの経鼻内視鏡は、経口内視鏡に比べ光量が少ないため経口内視鏡に比べ検査精度が劣るという欠点がありました。 ところが、現在の最新の経鼻内視鏡は以前の経口内視鏡並みの画像を得ることができるようになったため、経鼻内視鏡でも精度の高い検査を受けることができるようになりました。

経鼻内視鏡は肉体的・精神的な苦痛が少ないのが特徴です。

これまで胃内視鏡検査で用いられてきた内視鏡は、径が太いため口を経由して胃内視鏡を胃に挿入する必要がありました。そのため舌の根元で「おえっ」となる咽頭反射が起きその嘔吐感から非常に辛いものでした。

一方、経鼻内視鏡は径が細いので、口ではなく鼻を経由して胃内視鏡を胃に挿入することができます。 嘔吐感が少ないので肉体的・精神的に、通常の内視鏡検査よりも苦痛が少なく検査を行うことができるのが特徴です。

直径5.9mmの最新の経鼻内視鏡を導入し、つらくない胃内視鏡を目指しています。咽頭反射(オエッとなる反射です)が大幅に軽減され検査中も医師と会話することも可能です。

ただしすべての方に経鼻内視鏡を行えるというわけではありません。通常の口から行う胃内視鏡と違って、通過の際に必ず鼻腔粘膜に接触するので一定の率での鼻出血は避けられません。 鼻粘膜腫瘍、鼻腔内手術の既往があって鼻腔内の変形が強い方や検査施行時に既に鼻出血が生じている方は検査を行うことができません。 また脳神経科や循環器科においてバイアスピリンやワーファリンなど血液が固まりにくくなる薬をお飲みの方は来院されて医師と相談して下さい。

経鼻内視鏡は口から行う通常の胃内視鏡と比べて大幅に咽頭反射が軽減され、患者さまの苦痛はずっと減ります。 また心臓や肺などの負担も減り安全性は高いですが、経鼻法ならではの苦痛、危険もあり決して侵襲のない検査ではありません。 当院で使用する経鼻用内視鏡は非常に細いものですので、口から行ってもあまりつらくはありません。来院されてよく説明を聞いてから検査を受けられて下さい。

② 胃内視鏡 - 経口内視鏡検査(鎮静剤併用)

胃内視鏡を口から挿入するため、患者さんによっては酷い嘔吐感のある場合があります。 しかし、静脈麻酔を併用することで、うとうと軽く眠ったまま、苦痛を抑えた状態で検査を行うことができます。検査の後は意識がはっきりとするまで、リカバリー室で休んでいただきます。

大腸内視鏡(下部消化管内視鏡検査)

内視鏡を肛門の中に挿入し、大腸の中の様子を観察する検査です。 万が一病変が見つかった場合、その場でポリープを切除することもできます。 日帰り内視鏡手術も行っておりますので、お問い合わせください。

大腸内視鏡は疼痛が少ない短縮法で検査を行い、軽い鎮静剤を使用するため痛みをほとんど感じず検査を行うことができます。但し腹部手術後など(特に骨盤手術)で癒着がある方はどんな医師が施行しても多少の疼痛は伴います。詳しくは御来院の上お話しをお聞きください。 検査は自宅でゆっくり下剤を内服していただき、午後から来院していただきます。

がん検診(癌検診)で便の潜血が一度でも陽性の方はぜひこの検査をお勧めします。 ポリープや早期がん(早期癌)があった場合はその場で切除したり、大きな腫瘍があった場合は組織を取る検査(生検)を行い細胞の検査をします。 また当院では狭域帯光観察「NBI」を搭載した拡大内視鏡システムを用いて、小さな早期の癌などもより正確に判断するよう努めています。

ひどい便秘や最近便通の異常がある方、肛門から出血するなどの異変があった場合はいろいろな病気が潜んでいる場合があるので、ぜひこの検査を受けられることをお勧めします。

消化管の疾患について

食道がん

食道がんは従来欧米に多い疾患でしたが、近年食生活の変化、胃食道逆流症(GERD)の増加、ピロリ菌感染率の低下により今後日本でも増加が懸念されている疾患です。男性で多い疾患で発症は60歳代が最も多く全体の約4割程度を占めます。

胃がん

胃がんは日本を含めたアジアに多い病気です。欧米諸国ではピロリ菌感染率が低いこともあり罹患率は低い病気です。
しかし近年日本では胃がん検診の浸透、ピロリ菌感染の診断および除菌治療が増加したこともあり、胃がんによる死亡率は低下傾向にあります。
性別では男性が女性に比べ約2倍ほど多いです。

ピロリ菌

ヘリコバクターピロリ菌(Helicobacter pylori)は細菌の一種で、らせん状を呈するグラム陰性桿菌です。
1983年に初めて発見され以後の研究で胃がんとの密接な関係が1994年に明らかにされ、現在では胃がん対策はピロリ菌除菌が最も大事であるともいわれています。

大腸がん

大腸癌(結腸癌、直腸癌)は食生活の変化などとともに近年日本でも増加傾向にあり、厚生労働省の統計によると2005年には死亡者数が40000人を超え 30年前の約9倍に達しました。現在肺癌が死亡者数では最も多いですが、近い将来に大腸癌による死亡者数がそれを超えると予想されています。

ポリープ

ポリープとは粘膜における肉眼的に隆起した病変の総称で様々なタイプのポリープがありますが、胃のポリープには腫瘍性のものと非腫瘍性のものに大別できます。

感染性腸炎

ウイルスや細菌に感染することにより引き起こされる炎症性の疾患です。
感染源は多種多様で、海外渡航歴のある方は国内であまり見かけない感染性腸炎にかかることもあるので注意が必要です。

大腸憩室症

憩室とは腸管の壁が外側に嚢状に突出した状態をいいます。
食物繊維の摂取不足や便秘、下痢などにより腸管内圧が上昇する、遺伝子異常などが原因と考えられています。

痔核

痔のなかで最も多いのが痔核です。肛門付近の血流が悪くなり、うっ血し、さらに静脈がこぶ状に拡張したものが痔核です。一般的には「いぼ痔」とも呼ばれています。

痔核につきましては肛門科ページで詳しくご説明しております。